それは数日前の曇った夕方のことだった。 その日の荷物の出荷を終え、一息つくために店の外に出て空を見ると、遠
くからこちらへ向かって飛んでくる小さな機影が目に入った。
「C-1だ!!!!!」 遠くからでも一目でそれとわかる存在感。あわててカメラを取って来てシャッターを押した。
曇天の夕方。完全に光量不足で厳しい撮影条件ながら、なんとかレタッチを施して見られる写真になった。
この日は、また例の陸上自衛隊習志野演習場での空挺訓練支援のため出動し、任務を終えて下総基地から入間基地
に帰る際TWKの上空を通過したようだ。
1機目が通過した後、すぐに2機目が通過。TWK上空でかるく右旋回して行く。
自宅にいてこんな間近にC-1を見ることができるなんて、何だかうれしくなってしまった(←まるで子供)。
それにしてもこのC-1という飛行機の飛んでいる姿を見ると、まるで生き物のような“魂”を感じてしまう。
機械には心はないはずなのだけど、それにかかわる人の強い思い入れや大切にする気持ちがあると、魂が宿ることが
ある‥‥‥私はそう思っている。
手前味噌になるが、例えばトライアルマシンの新車が届き、箱から出した時はただの「部品の塊」でしかないが、私かじ
っくりと心をこめて納車整備を行い、あとはお客様に渡すだけ、という状態になった時は「魂の入ったバイク」になってい
て、見た目にも明らかに生き生きと輝いて見える‥‥‥って、完全に自画自賛、自己満足の世界なのかな!?!?
そんなソウル(魂)を持ったC-1も、製造されてからかなりの年月が経過し、後継機にバトンタッチする日が徐々に近づい
てきている。
「C-X」と呼ばれるその後継機(次期輸送機)の開発は、これもやはり間もなく退役を迎えるP-3C(この飛行機もTWKで
よく見ることができるおなじみの機種)の後継機「P-X」(次期固定翼哨戒機)と並行して、川崎重工が中心となり日本の
技術を総動員して行なわれている。
C-XとP-Xは、共用できる部品は共通化してコストダウンをはかるなど、スタイルはまったく異なるが「姉妹機」と言っても
いい感じで、C-1もP-3Cもとても好きな私としては完成が待ち遠しい状態だ。
そのC-Xの01号機(地上での静強度試験用機)が先月完成し、防衛庁技術研究本部に納入されたというニュースが届
いた。
いよいよ後継機の外観が明らかになってきたが、C-X、P-Xどちらも現在のC-1、P-3Cのデザインを踏襲している感じで
新鮮さはあまり感じられない。
P-XはP-3Cの4発プロペラから4発ジェットになった点が大きな変化だが、そのせいで「普通の旅客機」っぽく見えてしま
う。 私個人的にはもっと思いっきり”軍用機”っぽいデザインにして欲しかったのだが‥‥‥。
とにかく、日本の航空機技術の集大成となる新型機の出来ばえは気になるところ。1号機の初飛行は2008年夏頃の予
定だそうなので、それまでは何としても生き延びていたいものじゃのう‥‥‥???
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